実は小生の友人が取手市の戸頭でそのレオ様の部屋を借りているのだが、まだ７年くらいの新しい物件なのに壁紙がはがれてきただとか、隣の音が丸聞こえだとか、床がきしんで仕方がないだとか、いろんなトラブルがあるのだそうだ。
見た目はかっこよくてモダンなのだが、実際に住んでみると、テレビのCMのイメージとはかなり違っている。
小生も何度か遊びに行ったことがあるのだが、確かに安普請だった。
見た目はすごくかっこいいのに、変に作りがよくない。
住んでいたら気持ちよくないだろうなあ、というのが、友人には悪いが正直な感想だった。

それからしばらくして、友人が引越しをしたと言うので、やっぱりなあ、と思っていたら、全然違うところに理由があった。
なんでも、本当の持ち主である大家とレオ様の間でトラブルがあったらしく、小生の友人は強制的にその物件を退去させられて、他のレオ様の物件に移らされたのだとか。
つまり、友人は引越しをしたくもないのに引越しをさせられてしまったということだ。
そのへんのからくりはよくわからないが、なんだかめんどくさいと思う。
何でそのまま住んでいてはいけないのかと思う。

友人は、今回はそんなトラブルに巻き込まれて、レオ様に言われるがままに隣の駅の物件に引っ越したのだが、それもすべてレオ様が払ってくれたらしい。
なんか、親切なんだか不親切なんだかよくわからない会社だ。
小生だったら、あまりお付き合いしたくないと思った。

そんな話を聞いたのが、昨年の秋頃だった。
他人事ながら、なんだかよくわからない理不尽な話のような気がしてちょっと気になったので調べてみた。

そういう物件は、だいたい土地をたくさん持っている地主が相続税対策のために建てることが多いそうだ。
ちゃんと客が入らなくても、何年かはレオ様がすべて借り上げてくれるので、大家は安心していられるという仕組みだ。

ところが、その物件に人が集まらなかったりして調子が悪くなってくると、レオ様は容赦なく借り上げの金額を半分にしてくれとか、借り上げの契約を打ち切ろうと言うのだそうだ。

そうなると、大家はたまらない。

じゃあ、あとは自分でやるから契約をやめる、というと、レオ様は「たてつくならこうなるよ」とばかりに、入居者全員を退去させるのだ。
その人たちは、レオ様の別の物件に引越しをさせるから、痛くも痒くもない。
たまらないのは大家と、引越しをしたくもないのに引越しをさせられる客だ。
小生の友人は、こうしたわけのわからないトラブルに巻き込まれてしまったと言うわけだったのだ。

不動産の世界はいろいろあるというが、なんだかなあと思う。
小生は、そんな物件はごめんなので、これからもよく調べて普通の大家がやっているようなところに住みたい。
そうしないと、小生のモットーである気ままな賃貸暮らしどころではなくなってしまうからである。